犬舎の健康に対する取り組み
最近、飼い主にも犬たちにも望まれない遺伝性疾患によるペットの病気が国内で多発しています。原因としてその犬種に対しての十分な知識を持たずにペットブームにのって、どんどん不用意な繁殖を繰り返していることにあります。 グレイスフルランドでは、優良犬種であるラブラドール・レトリバーの血統と健康を守るために定期的な健康診断は当然のこと、繁殖される子犬のすべてが健康であるために種犬が遺伝性欠陥を持たないことを正規の検査機関である「日本動物遺伝病ネットワーク(JAHD Network)」での検査で確認しています。
ラブラドール・レトリバーの遺伝性疾患について
遺伝子疾患には犬全体に共通のものと、犬種特有のものがあります。遺伝子疾患には既知の病気と、骨格などの形状や、その時の症状でしか判断出来ないものもあります。遺伝的に疾患を含む種犬から生まれた子犬は、生まれたときは正常に見えても成長するに従って異常が出てくることがあります。
ラブラドール・レトリバーなど、体重のある大型犬にに多く見られる遺伝性疾患が、「股関節形成不全(CHD)」です。遺伝的に疾患を持っていると成長してきて、「歩き方が、ちょっとおかしい」など見た目で判るようになります。
股関節形成不全で見られる症状
- 不自由な足取りで歩く(びっこを引きながら歩く)
- 歩幅が狭く、腰を振って歩く(モンロー・ウォーク)
- 歩き始めにこわばる
- 散歩の途中で座り込む
- 走るのを嫌がる
- 走るときに、左右の後ろ足が同時に出る(ウサギ跳び)
- ジャンプをしない
- 階段の昇りを嫌がる
- 横座りをする
- 頭を下向き加減にして歩く
遺伝性疾患の血統によるリスク
血統書付きで分譲されているからといっても、もともと遺伝性の疾患を持っている種犬から繁殖された場合、その子孫の犬も形成不全を多発することが臨床で出ており、犬の幸せのためにも不用意な繁殖はすべきでありません。下図は、近親間の繁殖による形成不全の多発を図にしたものです。
子犬Aは、三等親先の親族に形成不全が見られますが、しっかりと見極められながら繁殖を行っているため、子犬Aの世代(兄弟)には形成不全が見られません。しかし子犬Bでは、子犬B自体は正常で、その親も正常のように見えますが、子犬Bの世代(兄弟)には多くの形成不全が見られます。表現として適切では無いかもしれませんが、形成不全を多く持つ血統から繁殖された子犬は、血が濃くなる為か結果として形成不全が多発することになっています。
INDEX参考情報
- 当犬舎の父犬の股関節形成不全(CHD)検査の参考結果
当犬舎で活躍している種犬(父)の、股関節評価です。ここではソロモンの評価を参考としておいています。個別の父犬の評価につきましては、お問い合わせください。